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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』-完全ネタバレ [ネタバレ]

ハリー・ポッターと秘密の部屋

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【ストーリー】

 プリペット通り4番地、ハリー・ポッター育ての叔父ダーズリー家の二階の部屋。 今日が誕生日のハリー・ポッターはホグワーツ魔法魔術学校の頃の思い出のアルバムをめくっている。 そばで鳥かごに入れられたフクロウが騒いでいる。 ハリーが言う「出してあげられないよ、へドウィグ!。学校の外で魔法を使っちゃあいけないんだ。バーノン叔父さんに叱られるよ。そら、やっぱり来た」 叔父さんがやって来る「言っておくぞ、あのトリを黙らせられないのなら、始末してしまえ!」 「窮屈なんだよ、ほんの1時間でも放してあげられたら・・・」 「そうして、お前のいかれた友達に秘密の手紙を送る気か?。」 「でも、友達からの手紙がぜんぜん来ないんだ!。誰からも?」 いとこのダドリーさえも「誰がお前の友達になる?・・・」と言う。 叔父は「お前はもうちょっと感謝すべきだぞ!。赤ん坊だったお前を引き取って今まで食わせてやった上に、ダドリーの部屋を分けてやった。わしらの思いやりからだぞ」 「もう直ぐメイソン様がいらっしゃるぞ。」そう言ってお迎えの手順の復習を始めた。
 妻ペチュニアは応接間でうやうやしくお迎えし、息子ダドリーはドアを開けて差し上げる。 ハリーは「自分の部屋にいて物音を立てず、居ない振りをします」 「その通りにしろ、上手く行けばすごい商談がまとまるからな・・・くれぐれも邪魔をするんじゃないぞ」 間もなくペイトン夫妻がお見えになった。


 叔父さん達の出て行った後に、ハリーの部屋に屋敷しもべ小妖精がやってくる。コウモリのような長い耳をして、大きい緑の眼がギョロリと飛び出している。 「ハリー・ポッター。・・・なんていう光栄でしょう。」 「誰なの?・・・」 「ドビーでございます。屋敷しもべのドビーです」 「今、僕の部屋に屋敷しもべがいると都合が悪いんだ」 「判っております。・・ドビーめは申し上げたいことが・・・それが複雑でございまして、ドビーめは何処から話せば良いのか・・・」 「とにかく座って・・・」といったが、 ドビーはおろおろと「ただの一度も主人から座ってといわれたことなど有りません」 「一度も?・・」 「悪いことを言ってしまった・・このバカが・・・」とドビーは大騒ぎ、自分の頭を部屋の家具にドカドカぶつけだした。 「やめてよ、お願いだから止めてよ・・・」


  階下で食事中のメイソン夫妻は天井を見上げる。 「お気になさらないで、・・ただのネコです」。

 ハリーは「大丈夫かい?」と聞くが「自分をおしおきしたのです。・・お仕えしている魔法使いのご家族の悪口を言いかけたので・・・ドビーめは一生一つの家にお仕えするのです。もしここに来たことが知れたら大変です・・・。でも、ドビーめはハリー・ポッターをお守りするために参りました。・・・警告でございます。・・・いいですか、今年ホグワーツ魔法魔術学校に戻ってはいけません。・・ ワナです。・・世にも恐ろしいワナが仕掛けられているのでございます」 「ワナって誰が仕掛けるの?」 「おう、・・いえ、・・申すわけには・・それ、はあ・・」  「言えないのは判ったから・・・」 ドビーは電気スタンドをもって頭を叩く。 「えい、・・こりゃ、・・あっ」 「ドビー、やめて・・スタンドを置いて・・」「あっ・・よっ・・エイッ」ガタガタする物音に叔父がドアを開けて入ってくる。一瞬ハリーはドビーを洋服タンスに隠す。 「ここで一体何をやっておる。!」 「僕、ただ、・・・ごめんなさい」 「今度音をたててみろ。生まれたことを後悔させてやる」 叱られてる間もタンスの扉は何度も開き、ハリーがその都度閉めていた。 叔父さんは気づかず階下に戻った。


 「僕は学校に戻らなくちゃ。ここには居場所がないんだ。僕の居場所はホグワーツなんだ、あそこには友達がいる」 「手紙を1通もくれない友達でッか?」 「待ってよ・・手紙を呉れないってどうして知ってるの?」 「怒ってはダメでございます。・・ドビーめはハリー・ポッターが友達に忘れられたと思えば、もう学校に戻りたくなくなると思ったのです・・」 「手紙を返してよ」 「ダメです・・」 ドビーが手紙の束を持っている。 逃げて階段を降りハリーが後を追う。 ドビーの眼にハリーの誕生祝いに買ったデコレーションケーキが見えた。 「ドビー・・お願い、やめてよ」 「ハリー・ポッターは学校に戻れないといわねば成りません」  「言えないよ!。」 「それではこうするしか有りません。ハリー・ポッターのためなのです」 ドビーは魔法でケーキを持ち上げメイソン夫人の頭の上に運んだ。  ケーキが宙に動くのをダーズリー家の皆が見守り、後を追ったハリーが掴もうと手を出した時、ケーキは婦人の頭から顔に落ちて崩れていった。 ちょうどハリーが頭の上で手を離したようにも見えた。 申し訳ありません。うちの甥ですが情緒不安定で、知らない人を見ると動転するので二階に居させたのですが・・」

 「もう、学校にも戻らせんぞ!。ろくでもない友達にも、二度と合わせん。絶対にだ!」 叔父は二階の窓に鉄格子を打ち付け、ドアには鍵を掛けた。

 静かな夜、自動車が空を飛んでやってきて、二階にあるハリーの部屋の窓の外で空中に駐車した。 ホグワーツ魔法魔術学校の寮で同じ部屋の親友ロナルドが操縦している「ロン・・フレッド、ジョージ・・どうしてここに?」 「君を助けに来たんだよ・・早くトランクを持って・・・」 車からロープの先にフックをつけた道具を取り出し、窓枠に掛ける。 「下がってて・・いくよ」 車の力で窓枠をもぎ取る。 「早く!・・・」 階下では大きな音に驚いてバーノン叔父さんが二階に駆け上がる。 ドアの鍵を開けて部屋に入るとハリーが窓から車に乗り移ろうとしている。 バーノン叔父さんはハリーのズボンの足首をつかまえる。 「離して・・」 「戻れ!・・・お前はそんなにしてまで出たいか」 フレッドが車のエンジンをふかす。 ズボンを掴んだ叔父さんの身体が窓を超えて下の干草の上に落下した。


 三人は自動車を操りロンの家に向かった。 「そうだハリー、誕生日おめでとう」 車はロンの家の庭に降りた。 「入れよ、静かに・・こんなとこだけど我が家だよ。」 「とても素敵だよ・・」 ロンの母親モリーが部屋に入ってくる「こらッ!・・一体どこに行ってたの!?。ベットは空っぽ。・・書き置きもない。車は消えている・・死んでたかも知れないのよ」 「ハリーを閉じ込めていたんだよ。 窓に鉄格子をはめて・・・」 「お前を鉄格子にはめるところですよ。ロナルド!。 朝ご飯にしましょ・・さあハリー君めしあがれ・・・」 父親のアーサーが仕事から朝帰りで帰ってくる「やあ、おはよう・・・」 「おはようございます」 「大変だったよ抜き打ち調査が9件も・・・」 「調査?・・」 「パパの仕事は魔法省のマグル製品不正使用の取締りさ」 「すみません・・ハリーと言います。ハリー・ポッターです。」 「君が・・いやあ、妻からよく話は聞いてるよ。何時来たんだね」 「今朝ですよ・・夕べ息子達があなたが魔法を掛けた車でハリーをつれてきたんです」 「それはいかんな・・お前達・・けしからんことだ」


 そこにフクロウが手紙を運んでくる。 ハリーのもある。 「ホグワーツからの手紙だ・・・」 父親のアーサーが言う「ダンブルドアは君が来ていることをお見通しのようだな」

 新学期用の教材をダイアゴン横丁に買い物に行く事になった。 「ハリーはまだフルーパウダーを使ったことがないんだよ・・・・」 ロンの母親モリーが「じゃあ、ロンにしなさい。お手本を見せて・・・」と言う。 ロンが鉢から光る粉を一つまみ取って、レンガの暖炉の前に立ち炎に粉を振りかけると炎が高く燃え上がった。ロンはその中に入り「ダイアゴン横丁」と叫ぶとふっと消えた。 フレッドも「ダイアゴン横丁」と叫んで、次々と壁の中に消えていく。ハリーの番になった「そうそう・・こうやって。・・・頭気をつけて、・・そうそう・・忘れないでね、発音ははっきり言うのよ。」 ハリーが叫ぶ「ダ、ダイア、ゴン横丁!」 「今なんて聞こえた?」 「ダイヤの横丁・・」


 ハリーが落ちたのは石の暖炉の中、薄暗い古い部屋。 外に出てみる。 誰 もいない商店の置物の手に触るとハリーの手首がつかまえられる。 外を歩くと女が声を掛けてきた。「坊や・・迷子じゃなかろうね」 「大丈夫です。僕、行く所が・・・」 「一緒にお出で・・・」 そこに大男のハグリットが現れる「こんな所で何してる!・・・こっちにこい!」 「ひどい格好をしちょるな、ノクターン横丁なんどウロウロして、あぶない所だぞ。あんな所に居るのを見られたら、悪巧みしていると思われちゃう」 「迷子になったんだよ・・ハグリットはここで何してたの?」  「おれはだな・・駆除剤を探してたんだよ」 


 「ハリー・・・ハリーさん」 「へい、・・ハーマイオニー」 「会えて良かったわ」  「僕も嬉しいよ・・」 「もう大丈夫だなハリー・・・じゃ、オレは行くからな」 「バイバイ・・じゃね」 「皆心配してたわよ」 やっと皆と合流できた。 ロンのママが「まあ、ハリー・・遠くに行ってたらどうしようかと思ったわ」  町を行くとギルデロイ・ロックハートが自伝発売のサイン会をしていた。日刊予言者新聞の記者が「もしや、ハリー・ポッターでは?・・・・」と言って写真をとった。 「一面大見出しですよ・・」 ロックハートは「皆さん・・なんと記念すべき瞬間でしょうか?。ハリー君が私の自伝「私はマジックだ」を買いに立ち寄ったのです。この本は日刊予言者新聞ベストセラー、27週連続1位を飾ってるわけでありますが、私の全作品をハリー君に無料で差し上げます」 


 「いい気分だろうねポッター。・・有名人のポッター・・ちょっとその辺に観に行くだけで大見出し」 振り向くとホグワーツ魔法魔術学校の同級生ドラコ・マルフォイがいた。  ハーマイオニが「ほっといてよ・・」 「うえぃ・・ポッター・・ガールフレンドかい!」 「これドラコ・・・失礼するでない。ミスターポッター・・・ルシウス・ マルフォイです、お見知りおきを。」 ポッターの額の傷を指して「この傷は伝説だ。・・顔に傷をつけた魔法使い・・」 ドラコが言う「これが元で両親を殺した・・ ただの人殺しだ。伝説じゃないよ」 ハーマイオニが口を挟む「名前を恐れるのはそのものへの恐れを増長させるだけよ」 「そういう君はミス・グレンジャーだね。ドラコからよく話を聞いている。」 ロンを見て「ボロボロの古本の教科書を持っているのはウイーズリー家の子だろ」 ロンの父親が「中はもう大騒ぎだ、外に出よう」と声を掛けると、父親に「ウイーズリーじゃないか・・・お役所は忙しいらしいですな。抜き打ち調査続きで・・・残業代は出るのでしょうか?。・・・魔法使いの面汚しの仕事をしているというのに、ろくに給料も貰えないらしい」 「何が魔法使いの面汚しかについては、我々の意見は大分違うようだな」 「役所でまた会おう」 ドラコも「学校で会おう」と言って出ていった。

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 ハリーたちはキングス・クロス駅に来ている。ホグワーツ行き特急列車は9と4分の3番線ホームから出る。 「10時58分だ急げ・・」 「直ぐ出るわよ」 「お先にどうぞ・・」 みんな9番線と10番線の間のホームにあるレンガの壁に、次々とカートを押して飛び込んで消えて行く。 「行こう!・・」ハリーが言ってロンと二人がレンガの壁にぶつかるが壁にはじかれる。 「おい、何をやってるんだね?」駅員が怪訝そうな顔で見ている。 「すみません。・・カートが言うことをきかなくて・・」 「どうして通れないんだろうな・・」 「わかんない」 「とにかく入り口がなくなったみたい。汽車は11時発だ・・乗り遅れちゃったよ」 「通れないってことは、パパとママが戻れないかも?」 「とにかく車のそばで待っていよう」 「車!・・・」 ロンが車があることに気付き二人は車に乗り飛び出す。 車は空を飛び回る。 ハリーが言う「まずいよ・・マグルは空飛ぶ車を見慣れてないんだから・・」 「そうね・・」  「見ろ・・透明ブースターがダメに成ってるよ」 「それじゃあ、ぐーッと下に降りよう、汽車を探さなくちゃ」 汽車の線路に降りて、線路の上を走ると汽車の汽笛が聞こえる。 「聞こえた?・・そんなに遠くないみたいだね」 二人が気がつきと列車は直ぐ後ろに迫っている。 汽車に追突され、また空に上がるが接触で車のドアが開き、ハリーが車外に放り出され片手でやっと捕まっている。 やっとロンの手を握り車の中に引き込んでもらえる。 操縦不能だが大空を飛び、前方にホグワーツ魔法魔術学校がお城のように見えてくる。 「やっと帰ってきたね・・」 安心したのもつかの間、車は木に引っかかって停まる。 木が暴れて車を叩き落す。 二人も逃げるが木が襲う。「大丈夫?・・」 車はどこかに無人で逃げていった。 「パパに殺されちゃう」


 ハリーはホグワーツ魔法魔術学校の寮に居る。 「屋敷しもべがベットに現れるし、9と4分の3番線は通り抜けられないし、おまけに木に殺されそうになった。絶対に誰かが邪魔しているんだ。」 (今夜がホグワーツ最後の晩かも知れん。さてさて・・どんなめに合うかな)  


 魔法薬学のスネィブ先生が居る「7人のマグルに見られてしまったのだぞ。ことの重大さが判っているのかね・・我々の世界が危うくさらけだされるところだったぞ。さらに暴れ柳も相当の被害を受けた、お前等が生まれる前から植わっていた貴重な木だ。」 「でも、スネィブ先生・・僕等のほうも被害を受けました。」  「黙らんかッ!。 ハッキリしておく、もしお前等が私が監督するスリラ人の生徒であったなら二人とも汽車で送り帰してやる。今夜だ!」  そこにダンブルドア校長が来る「君の寮ではない」 「校長彼等は未成年魔法使いの制限事項令を愚弄したのです。かくなる上は・・」 「規則なら承知しとるよ。大半はわしが書いたものじゃ。しかし、処罰を決めるのはグリフィンドールの寮監であるマクゴナガル先生ではないかの」 ロンが「荷物をまとめます・・」と言うと、マクゴナガル先生が「何を言ってるんですウイーズリー。」 「僕等は退校処分でしょ」 「今日と言う訳ではありません。けれど、あなた方のしたことは重大なことです」。ご家族に手紙を書き、二人には罰則を科します・・」  


 「おはようございます。 2年生の皆さんこの教室は初めてですね。 今日はマンドレイクの植え替えをやります。 誰か?。マンドレイクの根の特徴のわかる人?。 ・・・ミス・グレンジャー・・」 「マンドレイクは姿形を変えられたり、呪いをかけられた人を元に戻す薬として使われます。また、泣き声は聞いた人の命取りになります。」 「その通り、グリフィンドールに10点」 「さて、このマンドレイクはまだ苗なので、泣き声を聞いても死にはしませんが、数時間は気絶するでしょう。 ですから、安全のために耳当てを配ります。では、耳当てをつけて・・・。早く!・・・まず、苗をしっかりと掴んで・・・ハイ。力いっぱい引き抜く。」 「キーッ。キィーッ・・キィッ」(鉢植えの野菜の根の部分が醜い泥んこの赤ん坊で、鉢から抜かれると教室一杯に泣き声が響く)「寒くないようにパラパラと土をかけ、植え替えます。」 (耳当てを付けていても気絶する子もある)先生が声をかける「じゃあ、一せいにやりますからね。・・マンドレイクを掴んで、ハイッ。引き抜く」  (教室中にキイ・キイッ鳴く声と暴れる赤ん坊が見れる)  


 「ハリー・・君のフクロウじゃないかい」 白フクロウのヘドウィグが手紙の束を持ってくる。 手紙がしゃべる。 ロンへはパパから「コラッ、ウイーズリー、車を持ち出すとは何事だ。お前の・・・・・」文句タラタラ。 続いてジニーへママから「ジニーちゃん、グリフィンドールに決まっておめでとう。パパもママも鼻が高いわ。・・・」

            

 「皆さん、闇の魔術に対する防衛術の新しい先生を紹介します。 ギルデロイ・ロックハート。・・勲三等マーリン勲章を受賞。闇の力に対する防衛力連盟の名誉会員であり、雑誌週刊魔女の各賞を受けて・・・。さァ、先生・・」 「魔法界の中でもっとも汚れた生き物と闘う術を授けるのが私の役目。 君達はこれまでにない恐ろしい目に会うことでしょう。だが、私が居る限り安全です。どうか、叫ばないようにお願いしたい。こいつ等が暴れるから・・・」 (ピクシーと呼ばれる全身が青い色の小猿のような動物が鳥かご一杯に入って、キーキー鳴いている)  先生がカゴの戸を開けると一斉に教室じゅうに飛び出していった。 「小妖精ピクシーは厄介で、危険で怖くなるよ。 さあ、どう扱うかな。」 ロックハートが腕まくりして呪文を唱えるが何の効果もない。 終業のベルが鳴り先生は「自分で捕まえなさい」と言って部屋を出て行った。 ハーマイオニーが呪文を唱えるとピクシーはもとの鳥カゴに戻り、騒ぎは収まった。


 スネィブ教授が「スリザリーの新しいシーカーを教育するために、競技場の使用を認める」と言う。 「新しいシーカー・・・誰だ!」 「マルフォイ!?・・・」 「そうだ、新しいのはそれだけじゃない。ドラコの父上がニンバス2001を呉れた。」  「どこかの親と違って父上はいい物が買えるからね」  ハーマイオニーが言う「でも、グリフインドールの選手はお金じゃなくて才能で選ばれてるわ」  「お前の意見など聞いてない。ナメクジ食らえ!」と言ってロンに向かって杖を振ると、ロンの口の中からは口一杯になるような大きいナメクジが出てくる。次々とおなかからゲップとともに出てくるナメクジを、ロンはバケツを構えてゲーゲー言って戻す。 「自然に停まるのを待つしかない。出しちまえよ」 「マルフォイを呪うつもりだった。 血が汚れてるって言ってた。 どう言う意味?。 教養ある人なら口にしない言葉よ。」 「魔法使いにはマルフォイ一家のように、自分達は純血だからえらいって思い込んでる奴等がいるんだ。 くだらないことだ、何が血だ。 今時魔法使いはほとんどマグルが入っておる。俺たちのハーマイオニーが使えねえ呪文はひとつもねえぞ。気にすることはねえ自信をもて!」


 ハリーはロックハート先生当てのフアンレターに返事を書く手伝いをしている。 そのうち「こっちにこい・・・。こっちにこい」壁の中からかぼそい声が聞こえる。  ポッターには聞こえるが教授には聞こえない。 「シーッ。・・あの声です。聞こえないんですか・・・」 「なんの事だね・・。おや、もうこんな時間だね。4時間近くもここに居たのかね。不気味なほど時間が早く経つね」

 ハリーは部屋を出る。「引き裂いてやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・」壁の中から低い声がする。 ハーマイオニーと出会う。 ハリーが聞く「今聞いた・・」 「声ッ!  どの声・・・」 「ロックハートの部屋で聞こえた。 今も聞こえてる・・覚えてる・・殺せって言ったんだ。」 「殺せッ!。・・待ってよ・・」 ハリーが薄暗い部屋に入っていく。ロンとハーマイオニーが後を追う。 「変だよクモがこんな風に通るなんて・・・」(クモが無数に連なって移動している) 「僕、クモ嫌いなんだ」  「なにこれ!・・”秘密の部屋は開かれたり、成長者の敵を気をつけよ”・・血で書かれてるわ」 さらに進むとネコが殺されて吊り下げられている。 そこに子供達大勢が集まってくる。 管理人のアーガスがやってきて「何の騒ぎだ・・・。ポッター・・お前が、私のミセス・ロイスを殺したな!」 「違う!・・僕じゃ・・」 「殺してやる・・・」 「何事じゃ・・諸君・・皆速やかに寮に戻るのじゃ」ダンブルドア校長が来てくれた。 「その三人は残りなさい・・。ネコは死んではおらん。石になっただけじゃ」 「思ったとおり、私がその場に居れば、反対呪文でさけられましたのに・・・」 「あいつがやったんです・・。奴の文字をお読みでしょ」 「違います!・・誓って・・」  黒衣をまとったスネィブ先生が来て「一言良いですか・・ポッターたちはたまたま居合わせただけかもしれない。状況的には実に疑わしい・・。それに私は夕食の席でポッターの姿を見た覚えがない」と言う。 ロックハートが「それは私のせいなんですよ、フアンレターの返事書きを手伝って貰っていた」 ハーマイオニーが「だからロンと私はハリーを探しにいったんです。見つけたときハリーは食べたくないっていったんです。それで、戻ろうとしてたらミセス・ロイスが・・」 「疑わしきは罰せずじゃよ。先生!」 「私のネコが石にされたんだ。罰を与えなきゃおさまらん」 「君のネコは直せますぞアーガス。聞くところではスプラウト先生がマンドレイクの苗をお持ちだ、成長したら甦生させる薬が作れるやろ、それまでは皆くれぐれも用心をする事じゃ。よいな」 マクコガナル副校長が薬を持ってくる。 「あんたちょっと変よ。不思議な声はハリーにしか聞こえなかった」 「あの声のことを校長に話すべきだった」 「だめよ、ハリー・・ 誰にも聞こえない声が聞こえるなんて魔法界でも変よ」 


マクゴナガル副校長の授業。 「はい、皆さん静かに・・今日は動物に変身の術をかけ、オブレットに変えます。・・ワン・ツウ・スリー・・フェラベルト。」 (鳥がカップに変わる)(皆、驚きの歓声をあげる) 「でわ、やってもらいましょう・・・。最初は、ミスター・ウイーズリー。どうぞ」 ロンが立ち上がり杖を振り「 ・・フエラベルト」と呪文を唱えると、ネズミがカップに変わるが尾っぽがついていて、みなの笑い者になる。 「その杖は取り替える必要がありますね」。  グレンジャーが質問に立つ「先生、聞いてもかまいませんか?。秘密の部屋のことです。」 「いいでしょう。・・皆さんもご存知の通り、ホグワーツは千年以上前に、当時のもっとも偉大な四人の魔法使いと魔女達によって創設されました。ロドリック・グリフィンドール。フェルナ・アップルファン。ロイナ・レイブンクロウ。そして、カラザール・スリザリー。・・・この四人の創設者の内三人は意見も合い協調していましたが、一人は違いました。」 「誰だかわかるな・・」 「カラザール・スリザリーはホグワーツに入る生徒を選別して、魔法教育は純粋に魔法族の家系にのみ与えるべきだと、つまり、純血のものと考えたのです。でも、三人が反対したのです。彼は学校を去りました。・・・伝説ではスリザリーはこの城のどこかに隠された部屋を造った。と言われています。それが秘密の部屋なのです。スリザリーは学校を去る前にこの部屋を封印し、学校に彼の継承者が現れるまで開かないようにしました。  その継承者だけが秘密の部屋の封印を解くことが出来ると言われています。・・・当然、学校側としても何度も調査しましたが、見つかりませんでした。」 「先生、その部屋には何があると言われているのですか?」  「伝説では、秘密の部屋の中には、スリザリーの継承者のみが操ることの出来る、恐ろしい怪物が住むと言われています」



 ロンが「本当だと思う?」と聞く。 ポッターも「本当に秘密の部屋があるのかな」 グレンジャーが「あるわ・・・気づかない?。先生達がみな、おびえているもの・・・」 「本当に秘密の部屋があって、本当にそれが開いたんだとしたら・・」 「継承者が現れたってことね・・はたして誰なのか?」 「マルフォイじゃ無いの?」 「マルフォイ一族って何百年も代々続いた家系だけど、なにか聞き出せないかな・・」 「一つ方法があるわ、ただし難しいわよ。学校の規則を50は破ることになるし、危険なの」 三人は図書室に行く。 「あったわ!・・」グレンジャーが本を開く。 「あったわ、ポリジュース薬。 正しく調合すれば、それを飲んだ者を一時的に別の人間に変身させることが出来るのよ」 ロンが聞く「つまり、僕とハリーが変身するわけ・・・クラップとゴイルに」 「そうよ・・」「造るのにどのくらいかかる」 「1ヶ月・・・」 「1ヶ月も?」 「しかし、マルフォイが継承者だったら、その間にマグル生まれの半分がやられちゃうよ」 「でも、今はこれしかないの」
 

 今日はシーズン最初のクイデイッチの試合がある。ジョージ・ウイーズリーが「スリザリンには我々より優れたほうきがある。しかし、我々は敵より厳しい訓練をしてきた。」挨拶した。 ウッドが「カルフォイより先にスニッチをつかめ。我々は今日は勝たねば成らないのだ」とハリーに伝えた。 「空を飛ぶほうきにまたがり、防御に飛んで身体をぶつけ合い、ボールを取ってゴールリングの中に投げ込む。 マダム・フーチが試合開始の合図。 ハリーは高く舞い上がりスニッチを探す。 その瞬間真っ黒の思いブラッジャー(羽根の付いたボール)がハリーめがけて猛スピードで飛んでくる。 ハリーがいくらかわしても、ブラッジャーが途中で向きを替えてブーメランのようにハリーを狙ってくる。 「スリザリー、リード!」と解説者の声が聞こえる。  「気をつけろハリー・・」 「危ない!・・」 「誰かが細工している?・・・」 ハリーは競技場の脇のせまい通路を猛スピードで飛んだ。 ブラッジャーが後を追ってくるのがわかる。「バレーの練習かい ?。ポッター!・・・」空中でブラッジャーをかわす動きを見てドラコがハリーに言う。 危険な飛行を続けた後の一瞬、ブラッジャーがハリーの肘にあたり、右腕をいためた。 ハリーは意識が薄れる中で、マルフォイに向かって急降下し、金色のスニッチを握り締めた。ハリーはスニッチを掴んだままグラウンドに墜落した。 「グリフィンドールの勝利!」 「大丈夫?・・」 「ありがとう・・」 ロックハート先生が術をかけて腕を直そうとしたら、骨なしになってしまい手がブラブラになってしまう。 先生が言う「時にはこんなこともありますね・・・」 次にはマダム・ホンフリーに「骨を再生するのは荒療治です」といって骨を生やす薬を飲まされる。


 病室でベットに寝ていると、屋敷しもべの小妖精ドビーがやってくる。 「言うことをお聞きになるべきだったのです。汽車に乗り遅れた時に、お戻りになるべきだったのです」 「君だったの、9と4分の3番線に入れないようにしたのは・・・」 「そのとうりでございます・・・」 「お陰で退学になるところだったよ」 「ハリー・ ポッターは帰らねばなりません。・・・ドビーめのブラッチャーなら、帰らせることが出来ると思って・・・」 「なんだ、じゃあ、君が僕を襲わせたのか?」 「ドビーめもつらかったのでございます。自分の身にアイロンをかけて、お仕置きをしました」 「僕の手の骨が生えるまでに消えたほうがいい。君を絞め殺しちゃうから・・どうして僕を殺そうとするの?・・」 「あなた様を殺そうなんて・・めっそうもないことです・・ハリー・ポッターが名前を呼んではいけないあの人を倒すまでは・・・」 ハリーはドビーのよれよれの服を見て「どうしてそんな物を着ているの?」と聞く。 ドビーは「これは屋敷しもべの服従の印でございます。ご主人様から服を下さった時、初めて自由になれるのです。いいですか、ホグワーツで今恐ろしいことが起きようとしているのです。ハリー・ポッターはここに居てはいけません。歴史は再び書き換えされようとしているのです。」 「繰り返しって?・・・前にも起こったの?」 「アアッ・・・言ってはいけなかった」 ドビーは自分の頭をポコポコたたきだす。 「前に起きたのは何時?。今は誰がやってるの?。・・教えてよ」 「ドビーには申せません。ドビーはただ、ハリー・ポッターをお守りしたいだけです。」 「お願いだよ。教えて・・・誰なんだ!」 ドビーは消えていなくなった。


 「何があったんです」マクコナガル副校長が訪ねる。 「また襲われたのじゃ・・」ダンブルドア校長が答える。 ハリーを見舞おうとやってきたコリン・クリービーが石にされて運び込まれた。「もしかしたら、襲った者を写真に撮ったかも知れません。 生徒に危険が迫っていると言うことじゃ。 生徒に真実を・・・もはや、ホグワーツは安全な場所ではない。恐れていたことが起こったのじゃ。 秘密の部屋が今、再び開かれたのじゃ」(マルフォイがクイディッチの試合に負けた腹いせにコリンをやったのだと思う)


 ロンとハーマイオニーが女子トイレにいる。 グレンジャーが「再び・・じゃあ、秘密の部屋は前にも開かれたの・・?」 ハリーが答える「もちろん、決まってるじゃん。 ルシウス・マルフォイがまだ学生だったころに開けたんだよ。で、ドラコにあけ方を教えた。」 「そうかもね、ポリジュース薬が出来上がれば、確かめられるわ」 「だけどさ、こんな所で昼まっから薬を作ってていいの?。女子トイレのど真ん中で・・・誰かに見つからない?・・」 「大丈夫、ここには誰もこないわ。」 そこに嘆きのマートル(影だけの女の子)が来る。 「だあれ・・」 「私が嘆きのマートルよッ!・・・私のことなんかだあれも知らないでしょ。めそめそマートルのことなんか・・・」と言って泣く。「傷つきやすい子なのね・・・」


                   
 ロックハート先生が言う「みなさーん・・集まって・・。私がよーく見えますか?。声がよーく聞こえますか?。最近物騒な事件が続いているので、校長からお許しを得て決闘クラブを開くことにしました。万一に備え自分の身を守れる。 皆さんを鍛えます。私も何度も危ない目にあってきました。詳しいことは著書を読んでみてください。・・・では、紹介しましょう。 私の助手・・スネィブ先生です。・・ 勇敢にも模範演技を手伝ってくれます。皆さんは心配には及びませんよ。 魔法薬の先生を消したりはしませんから、ご安心を・・・」。


 ロックハート先生がスネィブ先生と対決する。 二人は背中を合わせ、合図で両者は前に進む、三つ数えて振り向き杖をかざして術で相手を倒す。 スネィブ先生が飛ばされて生徒達の笑い者になった。 「やられるところを生徒に見せるとは、すばらしい思い付きでしたよ、先生」 「あまりに見え透いてましたかね、止めようと思えば簡単に、止められたましたものを・・・」 ロックハート先生は「では、生徒にやってもらいましょうか?・」と言いハリー・ポッターを呼ぶ。 「ウイーズリーの杖では簡単な呪文でも30を越す。ポッターを粉々にして病院送りにしかねないから、変わりに私の寮の生徒ではいかがかな・・・ドラコ・マルフォイでどうだね?」 二人が対決することとなった。 「幸運を祈る」 「ハイ、先生!」 「杖を構えてッ!・・・」杖を前にかざしてドラコが言う「恐いか?・・ポッター」 「そっちこそ・・」 「三つ数えたら武器を取り上げる術を架けなさい。 取り上げるだけ!・・・いいですね。ワン・ツウ・」 マルフォイはツウで呪文を唱え始めていた。 マルフォイが杖を振り上げ「サーベンソーテイア! ヘビ出よ!」と叫んだ。 杖の先からヘビが飛び出す。 ヘビは鎌首をもたげ、攻撃の構えをしている。 ハリーが「サイアーシ・リ・ア・ス」と呪文を唱えるとヘビはおとなしくなり消え去っ
た。


  「悪ふざけはよせよ・・・」  ハーマイオニーが「心配してたけど、ヘビと話せるのね」と聞く。 「そうなんだ、まえに動物園でいとこのダドリーにヘビをけしかけちゃったことがある。・・この学校には話せる人なんかいっぱいいるだろ」 「そうそういないわ、ヘビと話せる人なんて・・・」 「もし僕があの時ヘビに襲うなった言わなかったら、・・・僕ッ違う言葉しゃべってた?。・・・どうして違う言葉を話せるのか自分でもわからない」 「ヘビをそそのかしている感じだったわ。・・・ヘビサラザール・スリザリンの曾々々々々孫だとか言いだすよ・・」 「ありえないよ」 「千年前にいた人だから、可能性としてはありえるのよ」  


 談話室に戻ると皆がハリーを変な目で見ている。ヘビと話が出来る彼がキットネコを襲った犯人だと話している。 廊下に出ると「血が~血がほし~い・・・殺し~て~やる・・殺~し~てや~る」 廊下の壁が低い声でささやいた。 ハリーが廊下を進むと床に何かが転がっていた。 よく見ると冷たく硬直したジャスティンだった。 逃げようと思えば逃げられたが、助けを呼びかどうか迷っている時、  「現行犯だな今度こそ退学にしてやる・・・覚悟をしとくんだな」後ろで声がした。 「待って・・ヒルツさん、ご・・誤解だよ!」 そこにマクゴナガル先生が来た「先生僕はやってません。」 「この件は私の手に負えません」 


 ハリーに「ダンブルドア先生がお待ちです」マクゴナガル先生が言って黙って二人は歩いた。 先生は大きい怪獣像の前で止まり「レモン・キャンデー」と言った。この合言葉で壁が左右に分かれ、壁の裏には螺旋階段があった。 階段がくるくる廻り二人は上に登っていった。 そこはダンブルドア先生の部屋だった。 部屋にあったペットの鳥がしゃべった。「何か思いつめているねポッター」 「僕の組み分けですけど・・・正しかったのかなと思って・・」 「君の組み分けを決めるのは特に難しかった。でも、君はスリザリンでも上手くやれたろ」 鳥は急に炎に包まれて灰になった。 そこにダンブルドア校長が現れた。「ハリー・・!」。 「はッ!・・。校長先生・・・!。僕何にもできなくて・・急に火がついて・・・・」 「そろそろだったのじゃよ・・このところショボ呉れていたのでなちょうど燃焼日だったのじゃ。フォークスは不死鳥なのじゃよ。死ぬときが来ると炎となって燃え、そしてまた、灰の中からよみがえるのじゃ」ハリーが見ていると雛が頭をだしているところだった。 「ほら・・実に美しい生き物じゃよ、驚くほどの思い荷を運ぶことが出来、涙には癒しの力がある。」 


 そこにハグリッドが飛び込んできた「ダンブルドア先生!・・聞いてくだせい・・ハリーじゃねえ。ハリーは絶対そんな・・・」 「ハグリッド落ち着け・・わしはハリーが誰かを襲ったとは思っておらんよ。」 「僕じゃないとお思いですか?・・」 「君だとは思っておらん・・じゃが、聞いておきたい・・何かわしに話したいことはないかの・・」  「ありません・・・なにも・・」 「それならよい・・お行き・・」 校長は心配そうにハリーの立ち去るのを見ていた。


 クリスマスの朝が来た。外は一面の雪。ハーマイオニーが部屋にやってきた。 「薬が出来たわ・・後は相手の一部分を手に入れるだけ・・クラップとゴイルね。・・マルフォイから聞き出してる最中に本物のクラップとゴイルが来ないようにしなくっちゃね。」 「どうやって・・」 「簡単な眠り薬を仕込んでおいたわ・・強力なのをね・・いい、二人が眠ったら物置に閉じ込めて髪の毛を抜くのよ。・・制服も着替えてね。」 「君は誰の毛を抜くの?・・」 「もう手に入れたわ・・ミリセント・ブルストロード・・スリザリンのね・・ロープに着いていたの、じゃあ、私ポリジュース薬を見てくる」 ハーマイオニーはあわただしく出て行った。  


 ハリーはスリザリン寮のテーブルの上にパンをおいて二人が来るのを待った。クラップがこれを見つけてゴイルに知らせ、二人で食べると直ぐ二人とも床に倒れた。 「どこまでバカなんだ」 「早く運ぼう・・」 物置に二人を運びこんだ後ハリーゴイルの、ロンはクラップの髪をエイッと引き抜いた。 「きっかり1時間でまた、もとの姿に戻ってしまうのよ」 三つのグラスにどろリとした薬を分けて、髪の毛を入れた。煎じ薬は激しく泡立った。 「乾杯!。・・」 「なんだか僕はきそう・・」 全身が溶けるような気持ち悪さの後、ハリーは指も身体も大きくなってくるのがわかった。 「ロン・・驚いたなあ・・・でも声は君の声だよ。」 「クラップの声を真似しなきゃ」 二人は声色の練習をした。 ハーマイオニーはミリセントがあまりにブスなので見られたくないといって部屋から出てこない。 「私行けないわ・・・二人とも急いで。時間を無駄にしないで・・」 「あとでここで会おう」


 「スリザリンの談話室はこっちだ・・よし」 廊下を歩いて行くと「オイ!・・君達!」と呼び止められた。監督生のパーシーである。ハリーが「何してるの?」と聞くと「僕は監督生だからね・・君達こそ夜こんな時間にウロウロしてるんじゃない」と言われる。 突然背後から「クラップ、ゴイルどこにいたんだ!・・ずっと広間でバカ喰いしてたのか?」とドラコ・マルフォイがやってきた。 「あのう・・本を読んでて・・・」 「本?・・字が読めたのか?」 マルフォイはパーシーを見て「ところで、ウイーズリー、こんな所で何の用だ!」と言うと「少しは監督生に敬意を払いたまえ・・マルフォイ」と言って走り去った。 二人がマルフォイの後に付いて行った。「あれでウイーズリーが純血とはな・・連中と来たらどいつもこいつも魔法界の恥さらしだ・・それにしても”日刊予言者新聞”が事件を報道していないとわね?・・きっと、ダンブルドアが口止めしてるんだ。父上が言ってるよ、ダンブルドアが学校を最悪にしているって」 「それは違う!」ロンは自分がクラップになっていることをつい忘れていってしまった。 「何だ!。ダンブルドアよりもっと悪いのがいるって言うのか?、えッ・・誰だ!」 「ハリー・ポッター」 「なるほどな・・いいこと言うじゃないか。 みんなポッターが未来の継承者だと思っている。」 「誰が糸を引いているのか知っているんだろ。」ゴイルになったハリーが聞く。 「だから知らないって、昨日も言っただろ何度も言わせるな」 「父上の話では"秘密の部屋”が開かれたのは50年前だ。開けた者の名はいえないが、追放されたそうじゃ。前に"秘密の部屋”が開かれた時には"汚れた血”が一人死んだ。だから今回もあいつ等の誰かが殺されるだろう。僕としてはグレンジャーだといいな」 ハリーは息苦しくなってきた。 「おい、ゴイル・・どうかしたのか?。さっきから変だぞ」 ハリーの額の傷が現れ、髪が赤くなった。(時間切れで二人は自分に戻りつつあった) 二人はあわてて立ち上がった 

「おい、何処に行くんだ。」二人は振り向きもせず部屋を走り出た。 ハーマイオニーのところに行って「話がある・・・出ておいでよ」と言うが、「 あっちに行って・・・」といって出ようとしない。 「私が言ったことを覚えてる・・・ポリジュース薬は動物の変身には使ってはいけないの、ロープについていたのはネコの毛だったの。見てこの顔・・」 「尻尾まで付いてる」ロンとハリーは笑い転げる。
                      

  クリスマス休暇を終えて帰ってきた子供達は、ハーマイオニーの姿が見えないので噂をしている。 「ハーマイオニーと話した?」 「何日かしたら医務室から出られるよ。毛玉を吐き出すのが収まればね」  その時上の階だ大きな声がした。二人が行ってみると廊下が水浸しになっていた。 "嘆きのマートル”のトイレのドアの下から流れ出ている。 マートルが「また何か投げつけに来たの?」と言い出す。  ハリーが「どうして僕が投げつけたりするの?」と言うと、「私に聞かないでよ・・ここで一人過ごしているのに・・わたしに本を投げつけて面白がる人がいるのよ」 「でも、君に何かぶつけても痛くないだろう。だって身体を通り抜けちゃうから」  マートルはやけ気味に言う「さあ、マートルに本をぶつけよう!感じないんだから・・・。みごと腹に命中すれば10点!。頭を通り抜ければ50点!。・・」 「一体誰が投げつけたの?」 「知らないわ・・見てないもん・・。トイレに座って死について考えてたの、そしたら頭のてっぺんに落ちてきたの」と泣き崩れた。 そこにビショ濡れの血のついた本が落ちていた。 それは日記で表紙の文字は消えかけ、50年前のものだとハリーには直ぐわかった。最初のページにT・Mリドルと名前がある。 「この人知ってるよ・・・50年前学校から”特別功労賞”貰った人だ・・」 日記は何も書いてなかった。

 
 ハリーがベットに座り何も書いていない日記をめくっている。羽根ペンに赤インクをつけて”僕の名前はハリー・ポッターです”と書いた。文字は一瞬消えて書いても居ない文字がにじみ出てきた。 ”ハロー、僕はトム・リドルです”。 ポッターは続けて書いた。  ”あなたは何かご存知ですか・・・秘密の部屋について” 。 ”もちろん知っています。お見せすることも出来ます。僕と一緒に50年前にさかのぼってください” "一緒に連れて行ってくれますか” 日記が風にあおられたようにめくられ6月13日で止まった。 光の渦巻く中にハリーは身体を投げ込まれるように感じた。 やがてハリーは自分が円形の部屋(ダンブルドアの校長室)にいることが判った。 しかし、机に座っているのはダンブルドアではなかった。 頭の禿げた小柄な老人がローソクの明かりで手紙を読んでいた。 ハリーが一度も会ったことのない魔法使いだった。


 「すみません、何が起こったのですか?・・」ハリーが声をかけても何も聞こえないようだった。 少年が部屋に入って来た。「・・トム・リドルです。」 ハリーは声を張り上げた「あのお・・聞こえますか?。・・・」 やはり何も見えていないらしい。 「リドルか?・・来なさい!。」校長先生が少年を呼んだ。  「こんな遅くに歩き回るのは感心せんの・・」 「僕はただ・・噂が本当か?、自分の目で確かめたかったのです。」 「残念ながら噂は本当じゃ。」 「学校が閉鎖になったら僕には帰る家が有りません」 「気持ちは良くわかる・・じゃがな、ディぺット校長もどうにも出来んのじゃ」 「襲撃が止めば、犯人が捕まれば良いんですが・・・」 「何かわしに言いたいことがあるかの」 「有りません・・・何も」(ハリーはトム・リドルがディペット先生に答えた有りませんと、自分がダンブルドア校長に答えた有りませんが同じだと思った) 「それなら良い・・お行き」 リドルが部屋を出たのでハリーは後をついて行った。


 リドルが行ったところには大男の少年がいた。「ハグリッド・・君を突き出すよ・・。そいつを(少年が飼っている怪物)・・誰も殺すつもりはなかっただろうけど・・・」 「待ってくれ・・そうじゃねえんだ。」 「死んだ女生徒のご両親が明日学校に来る・・娘さんを殺した奴を始末したいと・・」 「殺してねえ・・誰も殺しちゃいねえ・・」 「怪物はペットにもなれないんだ・・どくんだハグリッド」 「イヤだ!・・」 リドルが杖を取り出し呪文を唱えようとした時、少年の後ろのドアが開き、飛び出したクモのような怪物が少年とリドルをつき転がして逃げていった。 「行かせないぞ。君は杖を取り上げられる。・・退学させられる」 ハリーは「ハグリッド!・・」と大声で呼んだが、真っ暗闇にぐるぐる廻りながら落ちて行くのを感じた。 ハリーが自分の部屋のベットの上で息を弾ませているとロンとハーマイオニーがやってきた。 「ハグリッドだった。・・・ 50年前"秘密の部屋”を開けたのはハグリッドだ。」 「そんなはずないわ・・ぜったい・・違うわ」  「トム・リドルなんて知らないな。・・・きたない告げ口屋見たいじゃないか」 「怪物が誰かを殺したんだ」 「ハグリッドは友達よ。直接聞きに行きましょうよ」  そこにハグリッドがちょうどやってきた。 「そ・それ・・何持ってるの?・・」 「ああ・・これは”肉食ナメクジの駆除剤”・・マンドレイク用だ・・スプラウト先生の話じゃ育つまでもうチョイかかるらしい、・・刈りとって、煮込んで、石になっちょる連中を元に戻す薬が造れる。それまでの間三人ともよーく用心するんだぞ。いいな」


 ネビル・ロングボトムがあわててハリーを呼んでいる。 「ハリー!・・誰がやっっている。 「グリフィンドールの生徒よ・・でなきゃ、合言葉をしらないもの」 「キットそいつ、何かを探してたんだ」 ポッターが言う「そして見つけたんだ・・トム・リドルの日記が消えてる」



 今日はクィディッチ競技の日、生徒が競技場に集まり協議開始を待っている。マクゴナガル先生がグラウンドに走ってきて、「この試合は中止です」と告げた。 先生はハリーを呼んで「ポッター・・ウイズリーを探しに行きましょう・・見せたい物があります。・・すこし、ショックかもしれませんが・・」 医務室の近くまで来た時先生は「二人は図書館の近くで倒れていました。そばにこれが・・・」と言って小さい丸い鏡を見せた。 ベットにはレイブンクローの女生徒とハーマイオニーが眼を見開いて寝っていた。 「どう言うことなのか判りますか?」 「いいえ・・」


 談話室に前項生徒を集めてマクゴナガル先生は「皆さん静かに・・事件が続いたため今から新しい規則を設けます。全校生徒は夕方6時までに各寮の談話室に戻ること、授業に行く時は先生が引率します。例外はありません。残念ですが一連の襲撃の犯人が捕まらない限り、学校は閉鎖も考えられます。」


 ハリーは「ロン・・ハグリッドと話そう。もしも50年前怪物を離したのがハグリッドなら、秘密の部屋への入り口も知ってるはずだ。」と言う、しかし、ロンは「でも、マクゴナガルが授業の時以外寮から出るなって・・」 「パパの透明マントを使う時が来た。」  二人は透明マントで姿を隠し、大男のハグリッドのところへまで行ってマントを脱いだ。 とを叩くと「誰だ!。・・」「その弓は?・・」 「何でもねえ・・ただちょっと・・入れ・・茶入れたとこだ」 ハリーたちとわかって部屋に入れてくれる。 「ハーマイオニーのこと聞いた?・・」 「アア聞いた!きいたとも・・」 「僕ら聞きたいことがあるんだ・・秘密の部屋を開けたのは誰か知ってる?。」 その時戸をたたく音がした。 ハグリッドに「マントを被れ・・・声だすんじゃねえぞ」と言われて二人は部屋の隅で被った。 「おッ!、ダンブルドア先生」 「こんばんわ、ハグリッド。入ってもええかの?」 「さあどうぞ・・」 もう一人後ろから白髪頭の小柄な男が入って来た。 ロンが「パパのボスだ!。コーネリウス・ファッジ、魔法省の大臣だ」といった。 ファッジは「状況は良くない・・すこぶる良くない。残念ながらマグル生まれが三人もやられたとあっては、魔法省としても動かんわけにはいかん」とつぶやいた。 「本当ですか!・・先生!」 「コーネリウス・・わしはのう、このハグリッドに全幅の信頼を置いておる。」 「しかし、アルバス・・ハグリッドには不利な前科がある。連行せねばならん」 「連行?!」 「何処に?まさか?・・アズカバンの監獄所・・」 「そうするより仕方がないのだ」 また、誰かが戸をたたく音がした。


 やってきたのはルシウス・マルフォイ氏だった。 「来ていたのか・・ファッジ」 なく、私とて居たいわけではない。・・これが家か・・。私は校長がここにいると聞いて立ち寄っただけだ」 「いったいわしに何の用があるのじゃ」 「理事たち全員が、あなたの退陣を決定した。ここに辞職命令がある。12人の理事全員が全員署名した。あなたが現状を掌握できていないと感じておりましてな。このまま襲撃が続けばマグル出身者は一人も居なくなりますぞ。それが本学にとってどれほど恐るべき損失か?」 「ダンブルドア先生を辞めさせてみろ、それこそマグル生まれの者はお終いだ。この次はキット殺しになるぞ」 「落ち着くのじゃハグリッド。・・理事たちが退陣を求めるのならもちろんわしは退こう。・・・しかしじ ゃ、ホグワーツでは助けを求めるものには、必ずそれが与えられるのじゃ」 「天晴れなご心境で・・・」


 校長は「ファッジ。・・ハグリッド来なさい・・」と言って部屋を出た。 マルフォイが一礼して校長を送り出し自分も出て行った。 ファッジはハグリッドが先に出るのを待っていたが、ハグリッドは家の中に向かって大きな声で「もし・・もし何かを見つけたけりゃ、クモの跡を追っかけりゃエエ、そうすりゃちゃあんと糸口がわかる。ま、俺が言いてえのはそれだけだ」といった。ファッジはあっけに取られていた。 「ああ、俺の居ない間ファングに餌をやってくれ・・」 そういい残してハグリッドは連れて行かれた。戸が閉まると二人は透明マントを脱いだ。 「ほんとうだよ、ダンブルドアがいなきゃどんどん襲われるぜ」 


 「行こう!・・」ハリーとロンはファングを連れて”禁じられた森”の中へはいっていった。 森を進むとクモの大群が蟻の行列のようにどこかに向かっていた。 「ハグリッドが言ってただろ。クモを追っかけろって。・・」 「何でクモなんだよ・・チョウチョを追っかけるんじゃだめなの・・・」とロンは泣き声。 クモの行列はやがて大きな洞窟に入っている。 気が付くと足元にクモがウジャウジャいる。  「スッごく厭な感じ・・ねえ、もう戻ろうよ・・」 「行こう!・・」ハリーは先に進む。 「ハグリッド・・ハグリッドお前なのか・・」低い声が聞こえ巨大なクモがいる。 「ハグリッドの友達です」 巨大クモのアラゴグが「ハグリッドは一度もこの窪地に人を寄越したことはない」と言った。 「大変なんです・・学校で人が襲われて、ハグリッドが疑われてる。秘密の部屋を開けたと思われてるんです。昔みたいに・・・」 「それは違う・・ハグリッドは秘密の部屋を開けたことなどない」 「あなたがその部屋の怪物では?」 「違う・・怪物はここの城で生まれた。わしは遠い所から旅人に連れられハグリッドのもとにやってきたのだ」 「あなたが怪物じゃないなら、50年前女の子を殺したのは誰?」 「わしらはそのいきものの話をしない。わしらクモの仲間が何よりも恐れる生き物だ」 「見たことはあるんですか?」 「わしは自分がいた箱の中以外城の中はどこも見たことがない。疑われたわしをハグリッドが森に放してくれたのだ」周りはクモの大群でロンは恐くて泣き出した。 「ありがとう・・じゃ、もう帰ります。」 「それはなるまい、わしの命令で我が子たちはハグリッドを傷つけはしない。だが、のこのこ真っ只中にやってきた新鮮な肉をお預けには出来まい。さらばじゃ・ハグリッドの友よ」 クモが廻りに押し寄せてくる。 「何か呪文ない・・・」 「一つだけ・・でもこんなにいるとダメだ」 そのときウイーズリー氏の車が斜面を跳ねながら、クラクションを鳴らし、クモをひき殺して走り降りてきた。 急ブレーキで停まり、ハリーたちが乗ってドアを閉めると勝手に走り出して、枝をなぎ倒しながら森を走った。「早く!・・空を飛ぶんだ・・・」やがて車は飛び立って、城の庭にハリーたちを降ろすと再びどこかに飛んでいった。 「ハグリッドがアズカバンから出てきたらとっちめてやる」 「僕らを盛りに送り込んで何になったの?。何が判ったの?」 「一つだけ判った・・ハグリッドは秘密の部屋を開けちゃいない。無実だったんだ」


 ハーマイオニーはまだベットで眠っている。 ハリーがよく見ると右手に紙切れを握り締めている。 引っ張り出してハリーが言う「ロン・・ハーマイオニーはあの日図書館でこれを調べてたんだ。・・行こう」 図書館で古い本を見つけハリーが読む「怪獣の中でもその恐ろしさでバジリスクの右に出る者はない。何百年も生き長らえるし、その巨大なヘビの眼ににらまれた者は即死する。 クモが逃げるのが前触れ・・・ロン、これだよ・・秘密の部屋の怪物はバジリスクなんだ。・・・だから僕だけ声が聞こえた。・・ヘビだから・・・」 「でも、睨まれたら殺されちゃうんだよ。 だれも死んでないのはなぜ?・・」  「誰も奴の眼を見てないからだ・・・少なくても直接は・・」 「コリンはカメラを通して見た。ジャスティンは”ほとんど首なしニック”を通して見たに違いない。ボーッと鹿見えない。 ハーマイオニーは鏡を持ってた。バジリスクを警戒して、まず鏡を観るようにしてたんだよ」 「それじゃミセス・ノリスは?」 「あの子はカメラもかがみも持ってないよね・・」 「水だ!。あの晩床に水があふれてた。・・水に写ったバジリスクを見たんだよ。・・クモが逃げるのは前触れ」 「全部ぴったり合う」 「でも、どうやって動き回ってるんだ。 でっかいヘビがいたら目立つだろ」 「ハーマイオニーの答えを見つけたよ。パイプだ」 「パイプ!。パイプの中を通ってたの?」 「アラゴグが言ってたろ。50年前に殺された女の子。・・トイレで死んでたって・・今もそこにいるとしたら"嘆きのマートル”・・!!!」


 マクゴナガル副校長の声が魔法で拡声放送された。 「生徒は全員直ちに寮に戻りなさい。 先生方は至急二階の廊下にお集まりください」 「ご覧のとおりです。スリザリンの継承者がまた伝言を書き残しました。恐れ入った事態です、生徒がまた怪物にさらわれました。"秘密の部屋”の中に・・・告発はもうこれでお終いです」




 ロックハート先生が「ウトウトしてましたが何のお話で・・」とやってきた。 スネイプ先生が「女子生徒が怪物に連れ去られました。あなたの出番です」と言った。 「私の・・私の出番・・」 「・・と先生は仰いましたが・・・"秘密の部屋”への入り口はとおに知っていると・・」 「では、決まりですね・・怪物はあなたにお任せしましょうね。 伝説的なあなたの力で・・」マクゴナガル先生に言われて「よし・・では、部屋に戻って・・・仕度します」と言って部屋を出て行った。


 ハリーが言う「ロックハートは役立たずだけど、"秘密の部屋”を探すはずだ。 僕らの知っていることを教えよう・・」 ハリーとロンはロックハートの部屋に行った。 「先生お知らせしたいことがあります・・・どこかに行くんですか?。」 「あ・・あァ・・その・・緊急で呼び出されて、仕方なく、、」 ロンが言う「妹はどうなるんです・・・」 「残念だよ・・誰よりも私が残念に思っている・・」 ハリーが言う「"闇の魔術に対する防衛術の先生”でしょ・・今出て行くなんて・・」 「この仕事を引き受けたのじゃ、職務内容にこんなことは・・・」 「逃げ出すのですか?。・・・本にあるような手柄を立てた人が・・・」 「本は誤解を招く・・」 「自分の本でしょ!」 「ちょっと考えれば判ることだろう、私の本が売れるのは、あれを全部私がやったと思うからです」 「騙してたんですか?。・・他の魔法使いの手柄を自分のものにしてたんだ!」 ロンが言う「自分じゃ何にも出来ないってこと!」 「出来る!。・・こう見えても、"忘却術”は得意中の得意でね。・・・他の魔法使いにベラベラしゃべられたら本が売れなくなるから・・・君等にも忘れてもらいますよ!」 ロックハートが杖を振り上げようとしたより早く、「そんなこと、させるものか!・・。」ハリーが杖を奪って、自分の杖をロックハートに突きつけてトイレに連れて行った。


 トイレには"嘆きのマートル”がいた。 「誰なの?。・・ハリーじゃない・・・何のようッ!」 「君が死んだときの様子を聞きたいんだ・・」 「ア・・ァ、すごーく恐かったわ。・・まさにここだったの、この小部屋の中・・・私オリーブ・ホーンビーにメガネのことでからかわれたて、隠れて泣いてたの・・・そしたら、誰かが入ってくる音がして・・」 「誰だったの?・・」 「判らないわ、・・・わたし泣いてたんだもの・・・その人わけのわからない変な言葉をしゃべってた。・・男子だったわ。 だから鍵を開けずに"出て行けよって”言ったの・・・死んだの!」 「いきなり?・・どうやって?」 「判らない・・・覚えているのは大きな黄色い目玉が二つ。・・・」


 ハリーは手洗い台にあたりを調べた。 蛇口の脇の所にヘビの形が彫ってある。 「これだ、・・これだよロン・・これが”秘密の部屋”への入り口だ」 「何かヘビ語で言ってみてよ・・」 ハリーが何か呪文のようなことをしゃべると、手洗い台が別れて動き、人間が入れるくらい大きなパイプが見えてきた。 ロックハートが「すばらしい・・よくやった。・・それじゃ私は・・もう用はないね・・」と帰りかけたが、ロンとハリーが同時に杖を突きつけて「まだ有ります・・・先に入って!。・・下見役だよ」といって杖で背中を押した。 「よし、行こう!」 「ねえハりー・・もし下で死んじゃったら、私のトイレに住まわせてあげるね・・・」 「あ・・ァ。ありがとうマートル」 ロックハートが滑り落ちた後をハリーもロンも降りていった。 パイプの中はぬるぬるした暗がりで、曲がりくねった勾配が続いた。 湿った床に落ちて停まり、そこには全身ベトベトのロックハートもいた。 ハリーが言う「いいかい。何か動く気配がしたら、直ぐに眼をつぶるんだ。  こっちだ・・」 「これは?・・・」 「ヘビのヌケガラだ・・」 ロンが震え声で言った「これじゃ20メートルくらい有るぞ・・」 「もっとあるかも・・・」 油断していた時ロックハートがハリーに飛び掛り「冒険はここまでだ・・・坊や達!・・心配は要らん。・・・世間にはこう言っておこう!。 女の子を救うには遅すぎた、・・君達は無残な死体を見て、哀れにも正気を失ってしまったと。・・・さあ、・・まず君からポッター・・・記憶に別れを告げるがいい」


 ロックハートがハリーから奪った杖を振り上げ「オフリピエイト・・忘れよ!」と叫んだ。 杖は轟音とともに爆発し、トンネルの天井からは岩が崩れ落ちた。 大きい岩の塊にふさがれ何も見えない。 「ハリー!・・ハリーッ!」 「ロン・・大丈夫かい??・・」 「大丈夫・・」 「やあ、・・君かね?・・」 「あ・あ、ロン・ウイーズリー」 「そうかね・・それで・・私は誰?。」 「”忘却術”が逆噴射したんだ・・自分が誰だかわかってない!」 「ここは何だか変わったところだね?・・エッへへへ・・・住んでるの?」 「まさか・・・」 ハリーはロックハートを石で殴りつけて気絶させた。


 ハリーが言う「ロン・・君はここで岩を崩してみて・・・帰りに通れるように・・僕はジニーを探しに行く!」 「判った・・」 ハリーは巨大なヘビのヌケガラを越えて奥に進んだ。 いくつも曲がった奥に二匹のヘビが絡み合った彫刻の壁があった。 ハリーが呪文を唱えた。 「開けッ!」と言うと絡み合ってたヘビの壁が両側に分かれた。 ハリーは中に入っていった。 巨大な石像の足元に赤毛の女の子が横たわっていた。 「ジニー!。死んじゃダメだ!・・起きて!・・お願い、眼を覚まして・・・」  「眼はさめないよ・・」突然後ろで声がした。振り向くと少年がいる。 「トム・・・トム・リドル?。・・・眼が覚めないってどう言うこと?。・・まさか」 「生きてはいる・・かろうじて・・」 「君はゴーストなの?」 「記憶だよ・・・50年間日記の中にあった・・・」 「ジニー・・お願い、死なないで・・・起きて。・・・ム手を貸して・・・ここにはバジリスクがいるんだ」 「呼ばれるまでは来やしないよ」 ハリーがジニーを持ち上げようとして、置いた杖をリドルが取った。 「僕の杖をよこして・・」 「君には必要にはならん」 「どう言うこと・・・ここから出てジニーを助けなきゃあ」 「残念だがそれは出来ないね・・・ジニーが弱るほど僕は強くなる・・・”秘密の部屋”を開けたのはジニー・ウイーズリーだ」 「そんな・・・ジニーだなんて・・そんなはずは・・・」 「汚れた血とネコにバジリスクをけしかけたのも、壁に脅迫の文字を書いたのもジニーだ!。 ジニーは僕の思うがままに操れるのだ!。 ジニーは自分では気が付いていない、いわば催眠状態なのだ。 ジニーが日記を疑い始めて女子トイレに捨てようとした、それを君が拾ってくれた。・・・僕が会いたくてたまらなかった君がね・・・」 「どうして僕に会いたかったの?」 「君を信用させるため、マヌケなハグリッドを捕まえた場面を見せたんだ。・・・」 ハリーが叫ぶ「ハグリッドは友達だ!・・・君がハグリッドをはめたんだな。」 「みんな僕の言うことを信じた。 ダンブルドアだけは違ったようだが・・・」 「君のことはすべてお見通しだったんだ!」 「それ以来、ダンブルドアは僕を監視するようになったんだ。・・だから在学中に"秘密の部屋”を開けるのは危険だと思い、日記に隠すことにした。・・16歳の自分の日記に保存し、何時の日か、サラザール・スリザリンの崇高な仕事を成し遂げようと考えたのだ。」  「成し遂げてないじゃないか?。 あと数時間たてばマンドレイク薬が出来上がり、石にされた人たちがみんな元に戻るんだ。・・・」 「“穢れた血”の連中を殺す事なんか、もうどうでもいい。・・・ここ数ヶ月僕の狙いは、”君”だったのだ。・・特別な魔力も持たない赤ん坊が、どうやって、偉大なる魔法使いを破ることが出来たんだ!・・・なぜその傷だけで逃れることが出来たんだ。ヴォルデモート卿の力は打ち砕かれたのに・・・!」 「なぜ、そんなに気にするんだ?。ヴォルデモートは君より後の人だろ?」 リドルが静かにしゃべった「ヴォルデモートは僕の過去であり、現在であり、未来なのだ!・・」


 リドルはハリーの杖を持って空中に文字を書いた。 ”トム・マールヴォロ・リドル” もう一度振ると ”わたしはヴォルデモート卿だ” と出た。 「君が・・・スリザリンの継承者か!?。君がヴォルデモートか?」 「そのとおり・・・サラザール・スリザリンの血が流れているこの僕が・・・“汚らわしいマグルの父親の名を何時までも使うと思うか?・・・自分で新しい名をつけた。・・僕がもっとも偉大な魔法使いになったとき。皆が口にすることを恐れるであろう名前を・・・」 「もっとも偉大な魔法使いはアルバス・ダンブルドアだ!」 「奴は僕の記憶に過ぎないものによって追放された!」 「彼を心から信じる者がいる限りいなくなりはしない・・・」                                              

 そこに深紅の孔雀のような大きい鳥が飛んできた。 足にはボロボロの布包みを持っている。 フオークスが持ってきたのは「組み分け帽子」だった。 リドルが言う「ダンブルドアが見方に送ってきたものはそんなものか?。・・・”歌い鳥”に”古帽子”じゃないか?。・・・サラザール・スリザリンの継承者であるヴォルデモート卿と、かの有名なハリー・ポッターとで、お手合わせ願おうか?」  巨大なスリザリンの石像の顔が動きはじめた。 その大きな口から巨大な何かが出てきてハリーに近づいてくる。 見てはいけない!。 気配でバジリスク(ヘビ)だと判る。 逃げようとしたハリーがつまずき転び、もうダメかと覚悟をした時、何かがのた打ち回り、叩きつける気配がした。 ハリーが細く眼を開けて観ると、頭上に、赤い鳥フオークスが飛び、両眼から血を流し、鎌首を持ち上げたバジリスクがいた。 フォークスの金色のくちばしにつぶされたのだ。地下道を逃げるが檻で行き止まりになる。 石を拾って遠くに投げるとバジリスクは音のしたほうに行く。


 ハリーがジニーとトム・リドルのいる部屋に戻るとまたバジリスクが戻って来た。 バジリスクの尾が振られたとき、フォークスが運んでくれたダンブルドアの"組分け帽子”が飛ばされてきた。 ハリーは帽子をかむり「お願い!・・助けて」と祈った。 ”古い帽子”の中から長い銀の剣が現れた。 ハリーは剣を持って巨大な石像に登った。 盲目のヘビはめくらめっぽうに襲い掛かる。 バジリスクが狙いを定め、大きな口を開けて鎌首を振り下ろした。 身構えたハリーは剣を両手に持って毒蛇の口の奥へ突き刺した。 ハリーの肘に長い毒牙の破片が1本残り、バジリスクは床に倒れた。 


 リドルが言う「バジリスクの毒が身体を貫く早さはたいしたものだろ!・・。もうじき ”汚れた血” の母親のもとに行ける!。・・どうだ、たかが日記にやられる気分は?。・・それも愚かな小娘の手にかかって・・・」 ハリーは開かれた日記を見つけて、自分に刺さった毒牙を振り上げズブリと差した。 「何をする。!・・やめろ!・よせ!」ドリルが叫んだが遅かった。 何度も繰り返し突き刺した。 日記からインクがほとばしり、リドルは胸から血を噴出させて消えていった。 ジニーが気を取り戻どした「ハリー!・・・私がやったの・・・でも、信じて・・・そんなつもりじゃなかったの・・・リドルがやらせたの・・・ハリー血が出てるわ」 「心配ないよ・・ジニー・・君は早くここから出るんだ。通路を進んでロンを探すんだ。」


 深紅の鳥フオークスが飛んできた。 フオークスは悲しそうに涙をポロポロと落とした。 ハリーの腕の傷口の周りを涙が覆った。 「そうか・・・涙には ”癒しの力" があるんだ・・ありがとう・・」腕の傷が見る間に治った。 ハリーが言う「終わったんだ、・・・あれは記憶だったんだ!。」



 ハリー達はダンブルドア校長先生の部屋に呼び出された。 「判っているとは思うが、君達はここ数時間で10以上の校則を破ったのじゃ、退校処分にたる証拠もあるぞ。・・・そこでじゃ、・・・以上を踏まえて君達二人には "特別功労賞” を授与する。」 「嬉しいです・・・」 「さて、フクロウ便でアズカバンの監獄所に釈放通知を届けてくれ・・・早くハグリッドを呼び戻してやらねば・・・。 ハリーまずは君に御礼を言いたい。 君は誠の信頼を示してくれた。・・そうでなければフオークスは呼び寄せられまい。・・・それから、もう一つ・・君は何か悩んでいるようじゃな?。違うかねハリー・・」 「僕は、あることに気づいてしまったんです。・・・リドルと僕には似通っ点がある。」 「そうじゃのう、君もまた蛇語を話せる。なぜなればヴォルデモート卿がそれを話せるからじゃ。・・わしが思うには、ヴォルデモート卿が君にその傷を負わせた夜に、自分の力の一部を移したのじゃ。」 「じゃ、僕はスリザリンに入るべきだった?」 「たしかに君は、ヴォルデモートが誇ったさまざまな資質を持っておる、断固たる決意、・・少々規則を無視する傾向もな。・・だがなんで帽子はグリフィンドールに入れたか?。」 「僕が頼んだから・・・」 「そのとおりじゃよ・・そこが君とヴォルデモートとの違いじゃ。・・自分が何者かは能力で決まるのではない、どんな選択をするかじゃ。・・・君が本当にグリフィンドールに属するという証拠がほしいのなら、これをよーく見るがいい。」 校長は机の上にある、血に染まった銀の剣を取ってハリーに渡した。 剣のツバのそばに名前が刻まれていた。 "ゴドリック・グリフインドール” 校長が言う「真のグリフィンド-ル生だけが、この剣を出せる」
          

 ドアが勢いよく開いた。 ルシウス・マルフォイが立っている。 そばにドビーがいる。 ハリーが言う「ドビー!・・。じゃあ君のご主人て?・・・君、マルフォイの家に仕えてるの?・・」 「フン・・ゥゥ・・」 マルフォイ氏はダンブルドア校長を見て「お戻りになられたのは本当でしたね・・・」と言った。 校長は「アーサー・ウイーズリーの娘が連れ去られたと聞いて、理事たちがわしをここに呼び戻したのじゃ。・・・奇妙なことにの何人かの理事は、あなたに脅されたと考えておる。 停職に賛成しなければ、家族を呪うと・・・」 「よく、そんなことを・・・この私が心を砕いているのは、この学校の繁栄と、そしてもちろん生徒達のことです・・」 「誰の知らせで判明したのでしょうか?」 「ヴォルデモートじゃ。・・今回は誰かを手先にして行動したようじゃがな・・これを使って・・・」校長が真中に穴の開いた日記を取り出して続けた「ポッターがこれを見つけてくれた、ヴォルデモート卿の昔の学用品が罪のない生徒の手に二度と渡らねばいいが・・・何かあれば、 裏で糸を引いた者はタダでは済まされない。」 「この先も、何時もポッター君が救ってくれることを祈りますか?」   ポッターが言う「ご心配なく・・・そのつもりです」 マルフォイ氏はしもべ妖精のほうを向いて「可愛いドビー、帰るぞ!」と言ってドアを開け廊下に蹴飛ばした。 廊下で悲鳴をあげるドビーの声が聞こえた。


 ハリーが言う「先生これを頂いていいですか?・・」 ハリーは急いで靴を脱ぎ、靴下の片方を脱いで日記をその中に入れてマルフォイ氏を追った。 「マルフォイさん!。マルフォイさん・・これは、あなたのでしょ・・」 「わたしの?・・何のことか判らんが?・・」 「お分かりのはずです・・ダイアゴン横丁で、あなたがこの日記をジニーのなべに入れたのです。」 マルフォイ氏は靴下を引きちぎるようにして日記を取り出し、靴下を投げ捨てた。 「証明するが良い・・・」と言って立ち去ろうとして「ドビー・・来い!・・」と呼んだが、ドビーは動かない。 「ご主人様がドビーに靴下を下さった・・・」 「なにッ!・・そんなもの・・」 「ご主人様がドビーめに着る物を下さった・・これでドビーは自由!」 「よくも私の召使を奪いよったな!・・」 ドビーが叫んだ「いけない・・ハリー・ポッターには手を出すな!」 ドビーの術でマルフォイ氏は吹き飛ばされた。 「お前の両親もおせっかいな愚か者だったが・・・覚えておくがいいポッター・・・お前もその内親と同じ不幸な目に会う事になるぞ」マルフォイ氏が急いで立ち去った。 「ドビーを自由にしてくださった。 ドビーはお礼に何をしたら良いんでしょう?」 「一つだけ約束して!・・・もう僕の命を救おうとしないで・・・」


 「お帰りなさい・・サー・ニコラス。」 「ありがとう」 「ハーマイオニー良くぞ戻られた・・・」 「ありがとうサー・ニコラス」 ハーマイオニーが部屋に戻り、ハリーと抱き合って再会を喜ぶ。 ハリーは「ハーマイオニーのお陰で解決したよ。君なしではムリだった」と言った。


 ホグワーツの大宴会場。 マクゴナガル副校長先生が立ち上がり、かねを鳴らした。「皆さん!・・静粛に・・」 ダンブルドア校長が「宴を始める前に、まず拍手を送りたい。 スプラウト先生とマダム・フーチ・・マンドレイク薬で石にされた者達をみごと元に戻して下さった。  (みんなが拍手をした) さらにこれまでの経緯をふまえ、お祝いとして期末試験は取りやめとする。 (みんな大歓声) 」  大男のハグリッドが入って来る「遅れてすまねえ・・・。釈放通知を持ってきたフクロウが道に迷ってひっちゃかめっちゃかでな・・・ヘドウィグちゅう名前の奴だった。」  ハグリッドが言う「おまえさんたちのお陰だ・・・ハリーがいてくれたんでロンも、もちろんハーマイオニーもだ。でなきゃあ俺は例のあそこから出られんかった。・・礼を言わしてくれ・・・ありがとう」 「ホグワーツにはハグリッドがいなきゃあ」 校長が拍手をし、みんなも続いて拍手をした。

 ホグワーツ魔法魔術学校の外は雪が静かに降り続く夜だった。


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